散髪に行くことすらままならない
身だしなみを見ることでその人が信頼置ける人かどうかを測る、というのは理にかなっていると思う。
どうにも気分が沈んでしまっているときは基本的に布団から出る事すらできず、無為に時間を過ごしてしまう事がよくある。
何をしていても憂鬱で、日常の本来やるべきこと(皿洗い、部屋の片づけ、爪切り、買い物、などなど・・・)に手を付けようとしても、「どうせそれが幸せに直結するわけではないし」というような空しさにとらわれ、結局何にもできずに1日が終わってしまう。
何かを行った後、即効的にかつ目に見えるプラスのフィードバックが無ければモチベーションが保てない。
要するにだらしがない人間なのだ。
髪が伸びてきていることも、自分の中のそういうだらしなさが表出された結果の一つであるように思う。
毎回髪型を説明するのも億劫なので、髪を切る店はここ、切ってもらう人はこの人というふうに決めている。
もともとはある美容室のスタッフの一人だった人なのだが、今は独立して自分の店を構えている。
その店にはその人しかスタッフがいない為、必然的に繁忙期にはあっという間に予約が埋まってしまう。
年末年始に予約がいっぱいになることなんて、ちょっと考えれば簡単に予想のできる話だった。
しかし、例の如くだらしのない私は予約を取り付ける時期を先延ばし先延ばしにし、気が付けばこんな時期になってしまっている。
年末ですらそこそこの長さだった髪は更にその長さを増し、社会人としてギリギリアウトのラインまで来ている、と思う。
そんな状況になってようやく重い腰を上げ、お店に連絡をしてみた。
この3連休はもう予約でいっぱいだった。まあそれは予想通りだ。
しかしまさか、来週の土日まで一杯になってしまっているとはだれが予想しただろうか。
これでは私はいつ髪を切ればいいんだ。
今週は忙しいので、平日仕事終わりに寄るのは無理だ。店の開いている時間に仕事が終わる保障はないし、そもそもちょっとしたトラブルですぐ予定は崩れてしまう。
唯一予約の空いている再来週の日曜日まで待ってしまうと、この長い髪はいったいどこまで伸びてしまうのだろう。
考えただけで怖い。
自分で切ろうか。しかしそんなうまく切れた試しはないし、むしろ髪を切る前よりも社会人らしからぬ髪型になってしまうリスクがある。
怖い。
もういっそのこと、髪が長いのがなんだ、誰に迷惑をかけるわけでもない、と開き直ってしまおうか。
そんな思考の繰り返しをしている。
それに開き直ったところで自分のだらしなさをごまかせる訳でもなく、そんな自分の不甲斐なさに人知れずさらに落ち込んでしまうことは必至だ。
先延ばしにすることで苦しむのは結局自分だとわかっていても、どうしても先延ばしにしてしまう。
そんな人間はきっと山ほどいて、そんなだらしのない人間のうちの一人に成り下がってしまっている自分を思うと、不甲斐ないというか、空しい気持ちに襲われてしまう。
そしてこの3連休が終わりをつげ、明日からまた新たな一週間が始まろうとしている事実が後押しをし、いよいよ順調に憂鬱な夜の闇へと堕ちて行きつつある。
せっかくの久々の友人からのラインも未だ返していない。
散髪の予約日の確認のラインにもまだ返信していない。
やらなきゃいけないけれど出来ていない、手を付けてすらいない資料もある。
練習しなければいけない曲もあるし、忙しさにかまけて先延ばしにしてきた案件で今まさに火を噴く予兆を感じさせる動きもある。
どれもこれも過去の自分が見て見ぬふりをし続けてきたことの皺寄せであるし、そういう過去の無数のだらしがない自分が生み出してきた負の遺産と対峙しなければならない宿命を思うと、今更どうしようもない自責の念ややりきれなさ、情けない気持ち、ある種の行き場のない怒りのようなもの、そういったドロドロした感情の全てが胸の奥で入り混じって、最終的に行きつくのは「会社が爆発すればいいのに」というような他力本願な願いだったりする。
悲しくなるくらい不毛な願いだけれど、本人にとってはそれなりに切実な願いだったりする。
普段から先を見据えて一つ一つの行動をしていればこのような事にはならないのだろうが、どうしてもそんなことが出来る自分というのがいまいちイメージできない。
イメージ出来たところで、実践できるのかどうかすらわからない。
26年間付き合ってきたこのだらしのない自分と、この社会的責任の問われる生活を送っていく為に、どのようにして自分の性質と付き合っていけば良いのだろうか。
と、無理やり問題提起をして前向きな雰囲気を醸し出してみたは良いものの、そんな問題に対して今真剣に頭を悩ませる体力や精神的余裕を持ち合わせていない為、問題提起に対する解決案の立案はこのブログを再読した未来の自分に任せようと思う。
とにかく今のもやもやを書き出すことが本日の目的であるので、肝心の部分は先延ばしにして今回は終わりとする。